東 一雄
東一雄(1910-2000)は、富山県上新川郡広田村(現在の富山市広田)出身の著名な美術家です。富山商業学校から富山県師範学校へと進学し、安岡信義に師事。26歳で文部省中学校教員検定に合格し、旧制氷見中学校で教鞭をとりました。この頃から本格的に制作活動を始め、多くの油彩画を描きました。また、版画家の小野忠重の講習会に参加し、版画技術を習得しています。その後洋画研究会「一線美術協会」を設立し、戦後の富山美術界を牽引する作家たちを育成しました。
郷倉 千靱
郷倉千靱(1892-1975)は、富山県射水市出身の日本画家です。富山県立工芸学校(現 高岡工芸高等学校)漆工科を卒業後、東京美術学校(現 東京藝術大学)日本画科で本格的に日本画を学びました。1930年代には、日本美術院展覧会(院展)での受賞を重ね、画壇で頭角を現しました。自然や風土に対する深い愛情が感じられる情感豊かな風景画や花鳥画が多く、それらはたくさんの人々に感銘を与え続けています。
石黒 宗麿
石黒宗麿(1983-1968)は、富山県射水市出身の陶芸家です。彼は若い頃から中国宋代の陶磁器に強く影響を受け、陶芸家を志しました。1936年、京都に窯を築き、多くの名品を作り上げ、その独自の技法と美意識が高く評価されました。1955年には鉄釉陶器の技術で初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、日本の伝統工芸に新たな光をもたらしました。石黒は技術の習得だけでなく、陶芸の芸術的探求にも生涯を捧げ、多くの陶芸愛好者や後継者に影響を与えました。